住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。
スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店は、福岡県太宰府市の太宰府天満宮に至る参道沿いに立地する世界展開するコーヒーチェーン店の喫茶店です。 東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を手掛けた建築家として有名な隈研吾先生による設計です。
GA JAPAN 115 2012年3月発行に発表されています。
木毛セメント板と60角杉材などのローコストな材料でこれだけ豊かな表現ができることに隈研吾先生の凄さを感じます。
ガラス壁面天井部が木組みのなかに消えていく素晴らしい表現が勉強になります。
袖壁ディテール
店内入口の見返し
店舗カウンター
壁の仕上げは木毛セメント板です。
木の小口に衝突防止の透明プラスチックのカバーがついています。
店内奥側の眺め
突き当りがガラス開口で外が眺められます。
60角の1.3m~4mの杉材を約2000本使用しているそうです。木毛セメント板が下地材でなく、内壁の仕上げとしてそのまま使われています。
木組みが人にあたるので突端にコーナーガードがついています。この小さな一部のコーナーガードだけで、クレームを回避してこのデザインが実現できることが勉強になります。
ファサードで外部の木組みが下がってきていて、先端がそろわなくなり、木組みのリズム感が失われミニマリズムデザインが感じられなくなっていました。ルーバーの生木の接合強度が施工精度を見せるデザインは、施工の現実が追いついていかないのだと勉強になりました。
太宰府天満宮 御本殿
ちなみに、このスタバの立地する場所は、写真の太宰府天満宮に参拝する人の参道にあります。参拝の前後に立ち寄るスタバは大変ありがたいです存在です。
太宰府天満宮は、 学問・至誠・厄除けの神様 菅原道真を祭神として祀る天満宮の一つです。初詣の際には九州はもとより日本全国から毎年200万人以上、年間にすると850万人以上の参詣者があるそうです。 当日も境内は参拝者ですごい行列でした。
太宰府天満宮 楼門
御本殿に至るまでに、太鼓橋で心字池を渡るとこの楼門が見えてきました。