マンション経営|空室対策|一棟フルリノベーションの設計中です。現在すでに空室で設計に既存躯体情報を反映させ生かすために、既存躯体床レベルの確認 天井フトコロの確認 既存配管ルートの確認 既存スリーブの確認などのため試験的に内装を一部解体しました。
現在 内装プランのオーナー様のご了承を頂きました。外装は一度プレゼンテーションさせていただきましたが大幅な修正リクエストがあり、次回に向けて設計作業中です。次に仲介不動産会社への家賃 空室率などの想定をヒアリングするためのプラン作成をしております。
賃貸マンションのリノベーション設計では、入居者がいる場合、不足した既存図にたよって推察による設計が行われます。設計図を描いて工事見積を取り金額が決定して着工する時点で初めて解体となることが通常の流れです。今回は工務店が設計段階で決定していて空室なため、お施主様の了解が得られて設計段階で解体を一部行うことができた貴重なケースとなりました。
設計段階で解体ができるメリットとして、解体しないと見えなかった設計上の不具合を減らすことができます。通常の工事手続きでは、想定と違う不具合が工事中に発生すると、手戻りや工事金額の変更 工期の延長などの対処が発生することがあります。その場合でも、設計者と施工者の知恵を出し合って現場監理段階で調整して賃貸マンションオーナー様の負担にならないように最大限工夫します。
上の写真は、もともと2DKの間取りでしたがすべての間仕切り内装下地を撤去しています。1階スラブレベルがGL面に設定された既存躯体で床レベルを木軸によりサッシ下端レベルまで上げている仕様でした。
床下フトコロが1階はたくさんあり床レベルの設定によっては天井の高い部屋を作ることが可能であることがわかりました。
1階 廊下側
玄関側です。パイプスペースが一部解体されています。既存位置に竪管をすべて撤去新設して再構築する計画です。パイプスペースの隣の入隅部分でブロックで段になっている部分は既存浴室部分です。天井には2階浴室の配管が下の階である1階の天井面を通っています。
昔の仕様ではこのように床下配管が主流でした。賃貸マンションでは、床下配管ルートをとることがメンテナンスで大きな問題になります。腐食や経年劣化による配管の漏れが発生すると補修工事で迷惑の被害者となるのが下の階の住人だからです。
既存配管を撤去して床上配管ルートに新設する計画です。
2階 北側居室
床レベルとスラブレベルの寸法を確認するために床をはがしています。
2階 南側居室
既存2DKは和室で床は畳でした。左手のダイニングキッチンは続き間による採光なため暗いダイニングキッチンとなっていました。新設内装プランでは大きなワンルームのようなプランを計画しています。