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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 新築賃貸マンションやリノベーションの施工で大変お世話になっている東京都足立区にあります三浦工務店さんが本社ビルを建て替えられ見学会にお邪魔しました。設計は、浅井アーキテクツ 浅井正憲先生になります。夜景を撮りそこねてしまいましたが、照明設計をシリウスライティングオフィスというスカイツリーの照明デザインで有名なデザイン事務所が行っています。
不燃木ですと既製品では板状のものしか知らなかったので、柱状のものでも不燃加工ができるようになったことを知りました。110角までは柱材でそれ以上は集成材としているとのことでした。見学会なので施工の詳しい解説を伺うことが出来勉強になりました。
隣接する建物がマンションや戸建てといった環境のため、視線のコントロールとしてルーバーが設けられているとのことでした。
正面の杉板コンクリート打ち放しからイソバンド立ち上がり基礎コンクリートに切り替わりがあります。
木ルーバーとくっきりと転写された杉板コンクリート打ちっぱなしと外構が自然な風合いでマッチしていると思いました。勉強になります。
この建物は外壁に杉板コンクリート打ちっぱなしの部分があるので、鉄筋コンクリート造のように見えますが、鉄骨造純ラーメン構造です。鉄筋コンクリートの外壁と鉄骨造柱が取りつく柱状のコンクリート打ちっぱなしがスリット状にシールで縁が切られています。構造特性上の層間変位の違いをしっかり考慮したディテールなのだと思います。スリットが無いほうが美しいですが、もしこのスリットがないと、柱状の部分と立ち上がりの部分でコンクリートにひび割れが生じます。ここが昔の建築家と今の建築家の違いだと思います。昔の建築家は無理矢理な意見を構造設計者と施工者に押しつけ通してスリット無しで美しさを優先します。
車止めがかっこいいです。初めて見ました。鉄骨造の構造を生かしたオーバーハングが合理的な軒下を構成していてとても考えられたプラン構成だと思いました。勉強になります。
基壇の杉板コンクリート打ちっぱなしとイソバンドの切り替わり イソバンドと木ルーバーと軒天パネルの出隅ディテールがあります。基壇の立ち上がりに巾木状のコンクリート部があります。柱と腰壁でスリットが切られています。
奥まったサブエントランス側は基壇が杉板コンクリート打ちっぱなしで2.3階外壁がイソバンドとアルミサッシの構成になっているようです。視線をコントロールした横連窓からイソバンドが横使いになってるのかもしれません。鉄骨造純ラーメン構造とも合理性があってとても理論的なデザインなのだと思いました。勉強になります。
接道しない見えない壁面をイソバンド壁としています。イソバンドですとGLからの壁面立ち上がりを鉄筋コンクリート造とする必要があるので、その連続として、接道して見える部分を杉板コンクリート打ち放しとして天井面まで立ち上げているのだと思います。合理的な解決策で勉強になります。
立ち上がりコンクリート壁とイソバンド外壁となっていました。フェンスが目隠しタイプとネットフェンスと2種類あります。近隣対策で住宅街のオフィスの事情に合わせた仕様なのかもしれません。
隣地境界に接する外壁面をイソバンドを横使いとしています。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。