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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 新潟県三条市にあります長建設計事務所+山下秀之先生+江尻憲泰先生設計の川通どれみ保育園を見学してきました。内観は風除室兼玄関のみ職員の方から許可を頂き撮影させていただきました。新建築2015年4月号に発表された作品です。
木架構が見えるエントランス側ファサードです。中央のデッキテラスを境に右手が年少さん 左手が年長さんにゾーニングされているようです。
長く動線をとった屋根のあるアプローチです。
高い天井で在来木造工法の木造住宅の標準的な柱の太さに見える材料を利用して細長比を抑えるために方杖を使ったリズミカルな木架構が素晴らしいです。合理性が感じられて勉強になります。筋交いがサッシ面にあります。
現しの独立柱には強度が得られるカナダツガが利用されているようです。天井が高いので細長比が気になりますが、方杖で補強されています。サッシ開口前に独立柱が並んでいますが、自然とジャマに感じません。むしろにぎわいを演出しているように感じます。とても勉強になりました。
方杖のリズミカルな構成が木架構の良さを演出していると思います。梁高とサッシ高さが異なるため筋交いが下がり壁で途中からしか見えなくなっている構成は初めて見ました。
デッキテラスの延長線上に園児全体で利用できる遊戯室があり、デッキテラスで年長さんと年少さんをわけるゾーニングがきっちりしているプランです。
雁木とは、新潟県の商店街などでみられる雪よけの屋根のようです。地域に根差したプラン構成とすることで、地域の人に理解されやすいデザインの中で保育園のにぎわいを木架構で構造合理性を魅せながら演出する考えつくされた優等生のようなすばらしい解法だと思いました。勉強になります。
保育室から雁木、園庭、築山へと続く構成が見えます。
洋小屋トラスと平面格子と方杖の構成の雁木です。
このプランでは軸組みの方向に対して園庭に面するサッシ面だけが45度振れています。後で知ったのですが、これは、四角形の成形敷地に対して桁行方向梁間方向がプランニングされたなかで、太陽の南中角度がほぼ45度振れたところが正面になっているからのようです。とても秀逸なプランで大変勉強になりました。
雪や雨、送迎に自家用車を利用する人が多い地域なのだと推察されます。車寄せに対して屋根のあるアプローチ路を長くとることで間口を広げています。とても秀逸なプラン構成です。勉強になります。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。