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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 新潟県新潟市にあります新居千秋先生設計の秋葉区文化会館を見学してきました。内観はホールのみ職員の許可を頂き撮影させていただきました。メインホールは許可が頂けませんでしたので体感できませんでした。屋外スロープは登れると知らずに体感しそこねました。村野藤吾賞 グッドデザイン賞を受賞されています。GAjapan124号に発表された作品です。
平面形が正円ではなく46の半径を持つ接円弧で構成されているそうです。これによりすべての方向から見て違う表情を見せる事に成功していると体感できました。もうこれは発見だと思います。勉強になります。
後で知ったのですが、リング状のスロープにはだれでも登れたみたいです。
単純な正円でない重なり 芯をずらした平面 曲面型枠を使わない中でこれだけ豊かな表現ができることを大変興味深く勉強させていただきました。
天井の造作と片持ち梁がうねりながら出て行く造形に圧倒されます。後で写真を見て気づいたのですが、床がコンクリート金コテ仕上げという公共の文化ホールとしては非常に安い仕上げです。しかし、仕上げが大理石の床よりもはるかに美しく素晴らしい空間である事は言うまでもないと思います。ホールに居た時には空間体験で圧倒されてまったく気づきませんでした。
高度な構造設計技術と施工技術のなせる技です。ダイナミックです。耐力壁のようなねじれる壁柱が、ねじれることで構造上の利点はどんなことがあるのか大変興味が湧きました。
外周のガラスカーテンウォールが構造支柱が無いので外部から見たときコンクリートスラブが円盤やUFOのように浮いて見えます。写真上部のうねって横になったコンクリートが片持ち梁の役割をはたしているようです。すごい構造解析と施工技術です。
複雑な構造と天井仕上げとガラスパーテーション 鉄骨階段の複雑な構成が見えます。
片持ち梁が寝過ぎて梁せいも無いのでスラブが支えられている事に関心してしまいます。
新居千秋先生の村野藤吾賞受賞作品YouTube動画を拝見しました。コメントでコンディションの違い/キャベツと言うコンセプトキーワードをあげていました。 仕上げの豪華さを誇る建物が一般の人からは価値があると思われることが多くありますが、設計技術と施工技術の高次元な協業があれば、豪華な仕上げがなにもないコンクリート打ち放しの建物でこれだけ衝撃的な建物ができると証明しているのではと思います。まさに文化を名乗るにふさわしい館だと感服しました。たいへん勉強になりました。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。