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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 茨城県つくば市にあります谷口吉生先生設計のつくばカピオを見学してきました。1996年竣工で20年以上前の建物ですが、今見ても正統派モダニズムの美しい建築はまったく色あせていないと思います。いいものはやっぱりいい、素晴らしいです。谷口先生の作品は、私が学生時代に見た山形県酒田市にあります土門拳記念館が一番印象深いです。長野県信濃美術館・東山魁夷館のホワイエから見た池の眺めの素晴らしさも忘れられません。私の好きな建築家の一人です。新建築1996年11月号に発表された作品です。
84m*14mの大きな軒下空間 細い列柱 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館から法隆寺宝物館に通じる門構えのすばらしい静寂が感じられる軒下空間 感動です。
軒下空間 ブリッジも含めてすべてのディテールとプロポーションが美しいです。2階のガラス自立手すりが透明でなく乳白で、壁面と面一でない納まりですが、まったく気になりません。美しいです。
エントランスロビー 目地割り付けが床壁天井すべてビシッと割付されています。
エントランスロビー風除室です。上部がガラリになっていて風除室の高さはあえて抑えられています。勉強になります。
アリーナ ステージ方向
アリーナ観客席
アリーナ側 2階テラス
アリーナ側外壁 パネルの横目地に水切のようなフラットバーが埋め込まれています。パネルの一部が開きドアになっていますが。枠が見えないので非常にすっきりした外壁になっています。庇の柱が細く軒下がルーバーでかっこいいです。
アリーナ側 2階 外壁通路です。足元照明が面一ニッチ納まりです。コンクリート打ち放しと床タイルとグレーチングとステンレス樋と庇と光すべてが美しく調和しています。素晴らしいです。
アリーナ側トイレです。きれいに床と壁パネルが割り付けられていて、20年以上経った今でも現在の上質な設計に通じるお手本のようなすばらしい設計だと思います。
舞台 ホワイエです。床のレッドトラバーチンが美しくこのホールに映えます。大理石床素晴らしいです。
2階バルコニー席と舞台です。ピアノの発表会が行われていました。こんな素晴らしいホールを利用できて、つくば市の人がうらやましいです。
ホワイエ外観から こちらの風除室は強化ガラスです。風除室の天井は低く抑えられています。
ブリッジはアリーナと舞台の2つのホールを分ける軸線上にありました。軒下空間で雨仕舞が軽減されているとはいえ、やはりこれだけ外部空間で床に水勾配をつけずに納めてしまうと難しいことがわかりました。水がたまり自立強化ガラス手すりの付根スチール金物の錆による爆裂や、鉄骨階段の踏み面付近の錆の進行が激しくなっていました。勉強させていただきました。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。