住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。
埼玉県川口市にあります巣鴨信用金庫 中青木支店です。
外観のみの撮影です。巣鴨信用金庫さんの許可を頂いております。
実は、巣鴨信用金庫さんは、弊社のメインバンクでして、お世話になっております。(^-^;
設計は、エマニュエル・ムホー先生です。
フランス人女性建築家のエマニュエル・ムホー先生は、日本古来のデザインを現代にも活かしたいという想いから、伝統的な間仕切りにヒントを得た色とりどりのパーティションシリーズ『色切/shikiri』を編み出されています。
その『空間を色で仕切る』というコンセプトから、色を平面的でななく三次元空間を形作る道具として扱い、建築、インテリア、プロダクトデザインまで幅広く手掛けています。
この『空間を色で仕切る』という新しい概念に、片岡は感銘を受けました。
普通の建築家とは一線を画す、色というマテリアルで新境地を切りひらいた建築家だと思います。
新オートレース通りからの眺め
新オートレース通りからの見上げ
ドレイン横引きが、キューブから外部にボックスとして突出する形で作られています。
外壁が金属パネル納まりの部位に既製品は使えないとの判断でしょうか。
また、妻面の奥に引込むために横引雨水管が外部にはしっています。
取付角度を2転以上させるとエルボ数がふえることからの対応のように見えます。
RC納まりの尾垂目地のようなものは見られませんが、パネルの納まりで対処しているようです。
軒天部分の白いパネルに汚れはありません。
ディテールがしっかりしているのだと思います。
ファサードには、凹凸のある金属パネル納まりと屋上緑化とサッシというむずかしい3つの複雑な納まりがあります。
4種類の出幅のあるキューブがあります。
サッシ外壁ラインより出た部分で屋上緑化をしているので、外壁ラインは一面に守られています。
植栽のある各キューブごとに排水管が見えないので、植栽の潅水・排水方法など各キューブごとのディテールがどのようになっているのか大変興味深い部分ですが、わかりませんでした。
交差点の角に立つ2面ファサードの立地ですが、ファサード一面以外は、白いALCパネルとなっています。
新オートレース通り側がファサードとなっています。
階高によってキューブの割付がされています。
アルミパネル フッ素樹脂焼付塗装のカラフルな発色は、紫外線劣化による色あせが起こるのが普通なので、採用された事例はなかなか無いと思います。
カラフルな色使いの挑戦は、耐候性・発色など紫外線劣化による色あせがどうなるのか大変興味深く勉強させて頂きました。
資料によりますと2014年5月竣工とありますので、おおよそ8年経過した状況を見学できました。
パネルの色がとてもすばらしいです。
キューブの正面と妻面の3方向にカラフルな着色がされています。
キューブ部分パネル ディテール
キューブとALCパネルの間には、幅100程度のアルミ製の調整パネルがついています。
巣鴨信用金庫 中青木支店
所在地: 〒333-0844 埼玉県川口市上青木1丁目1−1