住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。
ヌーベル赤羽台は、東京都北区に立地するUR都市機構の公団住宅です。 住棟の老朽化が進んだ赤羽台団地の建て替え事業として、2006年(平成18年)9月にA街区(1・2号等)が竣工。2010年にはB街区(3・4・5号棟)とC街区(6・7号棟)が竣工。2015年にはD街区(8~11号棟)が竣工しているようです。現在も他街区の工事が建設中のようです。 2号棟はA・W・A設計共同体 (architecture WORKSHOP + ワークステーション + 設計組織ADH)さんによる設計です。
2012年には街並みがグッドデザイン賞を受賞。2016年にもD街区がグッドデザイン賞を受賞しています。 2009年8月号に2号棟 3〜7号棟 (B1・B2・C街区) 2016年2月号に8, 9, 10, 11号棟 (D1街区)が新建築で発表されています。
3層の渡り廊下
右側1号棟と左側2号棟をつなぐ渡り廊下の大きな架構がゲートのようなアクセントになっていました。
自走式駐車場入口
渡り廊下のブリッジが駐車場入口のゲートのような構成になっています。
エントランス 外観
2層吹き抜けで夜には行燈のように光り、建物前の引きのある公園からの眺めを意識したエントランスのようです。
エントランス前の街路から
ガラス手すりとアルミパネルスクリーンの構成が整然としています。
街路
左側は4号棟 右側が2号棟です。隣棟間隔がわかります。
1階 前庭のある住戸
サッシレスのFIXガラスがあります。扉上部の躯体が無いデザインです。
1階 前庭のある住戸
開口部躯体の構成と金属建具とステップの構成が見えます。
公園側の1階部分
住棟を横断するプロムナードに面した部分なので防犯上鎧戸が引き違いの掃き出し窓についています。
鋼製の鎧戸
1階の外部に面する開口なので、エキスパンドメタルの引き違い戸がついています。内部は居室なのでしょうか。躯体外部に後つけの鋼製建具のように見えます。めずらしい部分だと思います。
給湯器カバー
メンテナンスのために扉になり開閉可能なエキスパンドメタルのスクリーンになっています。公園正面から見える給湯器側面側にはスクリーンがありません。
2号棟の前の公園からの眺め
2号棟と プロムナード と公園の構成になり外観を引いて眺められます。
妻面 外観
透けのある アルミスクリーンが外壁の外に並べられています。2車線道路と両側歩道の道路幅のある側からの見上げですが建物が大きいので相当見上げないと屋上まで見えません。それほど大きなスケールです。
自走式立体駐車場からバードコート越しの2号棟バルコニー側外壁
中庭は1号棟と2号棟に囲われた自走式立体駐車場です。方位の関係でしょうが、4周を囲まれた側にバルコニー面があります。バルコニー前にはバードコートという前庭空間がありますが、これだけ大きな建物に囲まれると囲われた感と前庭は相当日が陰るという事がわかりました。勉強になります。
バックスペース
梁貫通しない角ダクト エキスパンドメタルスクリーンのディテールなど堅実な設計が勉強になります。