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賃貸マンションの内外装全面デザイン改修の設計をしています。外壁タイル面の改修として既存タイルに塗装仕上げを検討しています。塗装メーカー(エスケー化研)さんの紹介で同仕様のタイル塗装事例現場を教えていただいたので、見学してきました。磁器質タイル 陶器質タイルなど表面がツルツルした釉薬タイル仕上げの建物を所有している方の改修の『タイルにペンキを塗る方法|タイルに色を塗る方法』として参考になれば幸いです。
エスケー化研株式会社
エスケー化研さんより提案いただいた既存タイルへの塗装仕様は
下塗り:二液反応硬化型特殊樹脂プライマー(タイル専用プライマー) エスケー化研 SK#2000プライマー
上塗り:超低汚染型弱溶剤系アクリルシリコン樹脂塗料 エスケー化研 弱溶剤クリーンマイルドシリコン
です。
しかし、この仕様は強溶剤仕様なので、強烈なシンナーの臭いがします。近隣対策が必要な場所での使用は注意が必要な仕様です。
現在では、ほかの建物外壁塗装としては、きつい臭いの無い水性塗装が主流です。
既存のタイル面と目地面の凹凸を生かしたまま塗膜をかける仕様としては、これがベストかと思います。
タイル面の塗装としては別の方法でカチオン系シーラーでタイル面をつぶして目地も何もないフラットな壁仕上げとする方法もあります。
その場合、塗膜と比較して塗厚さが増し、万が一の剥落の原因を作ることになるのではないかという懸念から薄い剥落の危険のない塗膜仕上げを選択したいと考えました。設計中のリノベーション建物は、旧耐震設計基準で耐力壁付きラーメン構造です。当時の構造規定では柱梁との耐震スリットなど現行法ほど厳密ではないので、地震時層間変形が起きた時のクラック・ひび割れの対応を念頭に入れる必要が高いと判断しているためです。
サイン部分もタイル凹凸に無関係に塗装仕上げとしていて可能なようです。
正面エントランス側タイル面を黒系統で塗装してありました。
妻面と川側は白塗装仕上げで今回のマンションリノベーションとまったく同じ仕様となる予定です。参考になります。
既存タイル仕上げで塗装面を白と黒を目地部で塗り分けてありました。吹付面もありました。
タイル釉薬部塗装面とタイル目地部塗装面とスリット目地シール部
塗膜はタイル目地部にもタイル釉薬面にもきっちりのっている手触り感でした。弾性といいますか肉厚な塗膜面に感じました。パリパリと塗膜が剥がれるような感じはまったくなく、既存タイルへの塗装仕上げとしては、とても良い塗装仕様だと思います。
大判タイルの床仕上げ
EDGE勝どき(旧建物名:住友生命勝どきビル北館)
東京都中央区勝どき5-2-15
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。