ブログ
入居希望のお客様に雑誌・チラシ・インターネットなど、いずれでも内覧希望に進んで頂くためには、建物写真が大きな決め手になります。弊社では、工事中のできるだけ早い段階で入居者募集用建物写真を撮ることができます。
通常の不動産仲介による客付けでは、工事中は写真を載せることできません。工事中は文字だけの情報発信期間なので、なかなかアピールすることができません。各不動産仲介会社ホームページに情報をアップして頂きたくても通常不可能です。
残念なことに、前述した仲介不動産会社さんの検索サイトなどでは、設計段階のオーナー様の思いや工夫などは写真がないので建物が完成して竣工するまでは十分に伝えることができないシステムです。
一棟借り上げや家賃保証システムでなく、専任募集不動産仲介会社による入居者募集の事例です。撮影して仲介不動産会社さんのホームページに写真がアップされるまで通常2週間は必要です。
オーナー様は『一部屋だけでもモデルルームとして先に工事を完成させてくれないか。』と希望されます。
新築工事手順では、ユニットバス屋さん・システムキッチン屋さん・ボード下地屋さん・クロス屋さんなど工種別の分担方式で工事が行われているので、一部屋だけ先行して完成させることは、その一部屋だけのために各業者さんを一回一回呼んで現場で作業してもらうことになりますので現実的ではありません。
先行したモデルルームが可能な場合は、部屋数が多く、階が多層である場合です。その場合1階または2階の一部屋を先行して内覧できるようにすることができます。これがおおよそ30住戸以下の規模の賃貸マンション アパートでは先行したモデルルームが不可能な理由です。
新築賃貸マンションでは、躯体工事が終わりサッシ取り付け後 設備 内装下地工事と順次進みますが、工事は一定の出来高で完成に近づくわけではなく、躯体工事が終わって内装工事に着手できた段階から一気に出来高がアップします。竣工に近づくにつれて職人さんの出入りが多くなります。
部屋の中は竣工間際は職人さんでごった返しているのが常です。そのような中でカメラマンさんを予定通り手配してスケジュールを組んで例えば一部屋だけでも一時的に工具や建材を片づけて、削りカスやガラスの汚れを清掃して完成写真に近い形で写真を撮影する下準備をすることは工期の遅れにつながるためできません。
ふつうは、一日でも早く内覧をできるように、仲介不動産会社さんに物件の魅力を知ってもらい、お客様に真っ先に紹介してもらえるように工事を進めていくほかありません。
不動産会社の方やプロカメラマンによる撮影の場合は、工事を途中でストップして撮影できるほど工期に余裕があるか、工事の合間を縫って撮影のタイミングを計るために現場に何日もプロカメラマンを拘束されなければできませんので事実上不可能です。
設計監理者であれば、その日の非常に細かいタイミングを現場常駐管理者と随時情報を交換しながら身近で調整できます。
そうして弊社事務所で撮ったのがこの写真です。プロカメラマンには劣りますが、一応シフトレンズを使用して水平垂直な写真としてフォトショップでつなぎ合わせています。こちらの写真は竣工の約2か月前に撮影しています。竣工写真の建築写真家との比較をご覧ください。
外構が出来ていないので、樋カバーや樹木などがありません。シフトレンズ+APS-CカメラでJPEG撮影し、フォトショップ合成をしています。設定が甘くraw現像でなかったので補正ができていません。
建築写真家による撮影です。プロにお金を支払って依頼する価値がよくわかる仕上がりの差があります。
工事中の風景になっています。
竣工後に弊社事務所撮影の工事中の写真から建築写真家に依頼して撮影したものに、仲介不動産会社に送付して差し替えられる写真は差し替えます。特に外観写真では、外構が一番最後に施工されるので完成するまでは写真が撮れません。
下記の写真は、弊社事務所で撮影した入居者募集用各部屋タイプ別の写真一例です。工事中ですので、まだ機器据え付けだけであったりユニットを置いただけの状態でテストが済んでいない状態であったり工事中のいろいろな段階で職人さんの作業が空いた部屋でできる範囲で片付けながら撮影しています。
建築写真家さんには建築作品として撮影依頼しています。入居者募集用写真をセンスのある良い写真を撮る建築写真家に依頼するのは気が引けます。また、賃貸マンションの入居者募集用写真としては、各部屋タイプごとの玄関・キッチン・浴室・洗面・洗濯機スペース・洋室などすべての部屋の情報が必要です。建築写真家の拘束時間を無駄に長くすることになるので、もし建築写真家にこのような写真の依頼をするとなると2,3倍の料金がかかります。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。