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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 群馬県高崎市にあります小川博央先生による設計の森の教会/アルカーサル迎賓館を見学してきました。職員の方の許可を頂き外観と教会内部撮影をさせて頂きました。日本建築学会作品選集2015に発表された作品です。
樹形型のアングルを用いた鉄骨柱に大変興味を惹かれます。この柱はデザインではなく本当に屋根と壁を支える柱です。構造とデザインがトゥルーなことがとても素晴らしいです。
アングルが重ね合わせて使われていて合計8本のアングルを束ねて一本の柱となっています。とても華奢で天井に行くにしたがってさらに束ねられていたアングルがほどけて広がり細くなりながら曲がって天井に届いています。 アングルが天井を支えているというより、アングルが天井に届いているという感じがしてとても不思議な感じがします。素晴らしいです。成功しているのは樹形型鉄骨柱の表現が素晴らしいからだと思いました。大変勉強になります。
礼拝堂といえば、多くの人が集えるように高い天井と大きな無柱空間を確保しようと、ゴシック建築のフライングバットレスの発案があったプロトタイプであるほどに、礼拝堂室内に柱を設けない工夫を先人たちは行ってきた経緯があると思います。 固定観念をあっさりと捨て、多くの人が集う空間では本来邪魔な樹形型鉄骨柱が、中央付近や座席の間にランダムに建っている様子はとても刺激的だと思います。
壁面に張り付いている樹形型鉄骨柱があります。壁の足元部分がガラスとなっていて外光が入り、外部に水盤が見えます。 外壁に沿った樹形型鉄骨柱と壁が白く塗装されていますが、樹形型鉄骨柱に陰影があるので、足元のガラス面を見なければ陰影で樹形型鉄骨柱が壁から離れて見える効果があると思いました。 陰影の効果が勉強になりました。
玄関扉の枠がとても薄く表現されていて、袖壁も含めて壁面が宙に浮いています。
直交方向にオーガンジーのルーバーが施されていています。 樹形型鉄骨柱の細長比 座屈 鉛直荷重 水平力をどのように解決しているのか大変興味深い構造です。
アルカーサル迎賓館高崎 お問い合わせ:TEL027-321-3535 〒370-0031 群馬県高崎市上大類845 営業時間: 平日 11:00〜20:00 / 土日祝 10:00~20:00 定休日: 火曜日(祝日を除く)
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。